
(写真:桃山学院中学校 竹内悠真先生)
ネイティブ教員による授業や海外研修、英検の全員受験など、中学校段階から英語教育と国際理解教育に力を入れている桃山学院中学校。今回は、中学2年生の英語を担当する竹内先生に、「レシピー for School」の幅広い活用方法や、サービスの使用感についてお話を伺いました。
——まず、貴校の特徴について教えてください。
本校はキリスト教精神に基づき、「自由と愛」の精神を持ち、豊かな人間性と国際感覚を備えた人材を育てることを目指しています。
落ち着いた生徒が多い一方で、学校行事になると元気よく取り組み、リーダーシップを発揮してくれる生徒も多いです。
また、中学校段階から英語教育や国際理解教育に力を入れています。単に英語の知識を身につけるだけではなく、自律的に学び続ける姿勢や、自分の意見を英語で発信する力を育てることを目標としています。
中学校では、授業の中でオンライン英会話を年間10回ほど実施しています。また、中学3年生の希望者を対象に、ニュージーランドで約2週間の海外研修も行っています。
英検については、中学生は毎年1月に全員で受験します。中学1年生は4級、中学2年生は3級、中学3年生は準2級を学年ごとの目標としています。高校になると大学受験も大きな目標になりますが、中学生の間は受験から少し離れ、さまざまな形で英語を学ぶことができます。
——「レシピー for School」を導入する前には、どのような課題を感じていましたか。
私が担当している中学2年生は、英文法が複雑になり始め、生徒の得意・不得意の差が開きやすい時期だと感じています。
全員に同じ課題を出すだけでは、英語に苦手意識を持ち始めた生徒を手厚くフォローすることと、英語が得意な生徒の意欲をさらに伸ばすことの両立が難しくなります。
また、授業は文法を中心に進めているため、教科書だけでは英文を読む量が十分ではなく、実践的な読解力をどのように身につけさせるかも課題でした。
家庭学習では、以前は全員に同じ文法テキストを使わせていました。音読やリスニングも授業では扱っていましたが、家庭では「授業で学んだことを繰り返してきてください」と伝える程度で、実際の取り組みを確認することは難しかったですね。
——竹内先生が「レシピー for School」を使い始めたきっかけを教えてください。
先にレシピーを利用していた教員から、「こういうサービスがある」と紹介してもらったことがきっかけです。私自身も、プレゼンテーションを行う際の原稿や音読の指導を、アプリやAIを使って行えないかと考えていたところでした。
一人の教員が100人以上の生徒の原稿や音読を個別に確認することには限界があります。生徒が自分で音読を練習し、発音を確認できるサービスがあればよいと思っていたところ、レシピーの機能が探していたものと合っていました。
——実際には、どのように活用されていますか。
現在は主に、授業外の課題として利用しています。私の授業は文法が中心なので、読解力を補うために、レシピーに掲載されているニュース記事を宿題として配信しています。
記事を選ぶ際には、難しすぎず、生徒がある程度の予備知識を持っているテーマを選ぶようにしています。芸能人や海外の著名人、野球やサッカーなどのスポーツに関する記事は、中学生も興味を持ちやすいですね。
例えば、大谷翔平選手の記事であれば、生徒も内容をある程度知っています。「今日の課題は大谷選手の記事だ」と、自然に学習を始められるところがよいと感じています。
レシピーの記事は中学生には難しい場合もあるため、必ずリライト機能を使用し、中学2年生には主にCEFRのA1〜2程度に調整して配信しています。
これまで教科書以外の英文を扱う場合は、問題集や模試の過去問など、さまざまな教材から文章を探していました。しかし、模試の問題は日々の宿題としては出しにくく、継続して使える読解教材を用意することに難しさがありました。
レシピーを導入してからは、ニュース記事を使って日常的に英文を読む課題を出せるようになりました。夏休みの期間も、9月に模試を控えているため、中学2年生全員に読解対策を中心とした課題を配信しています。
事前に模試の過去問に取り組ませたところ、ほかの技能と比べて読解問題の得点が伸びていないことが分かりました。そこで、ある程度の分量があり、質の担保された英文を読む練習として、レシピーの記事を活用しています。
ただし、読解問題だけが続くと、生徒も取り組みにくくなります。そのため、比較的やさしい単語学習や、中学2年生の目標となる英検3級の問題なども組み合わせています。
長期休暇中でも、読解、語彙、英検対策を一つのサービス上で配信し、取り組み状況を確認できる点は便利だと感じています。

——プレゼンテーションの練習にも活用していただいていますよね。
はい。私の授業では、生徒一人ひとりが英語でプレゼンテーションを行う活動があります。今回は「私の夢」をテーマに、生徒が自分で英文を作り、クラスの前で発表しました。
原稿を作る段階では、生徒も翻訳ツールなどを使うため、大きな文法上の誤りはそれほど多くありません。一方で、実際に発表する際には、単語の読み方や発音、イントネーション、文の区切り方などを確認する必要があります。
以前は、読み方が分からない単語を生徒一人ひとりに教えていましたが、毎回個別に指導するのは難しく、一度伝えても次の練習では忘れてしまうこともありました。
そこで今年からは、生徒自身が作った原稿をレシピーに入れて、家庭で音読練習に取り組ませました。分からない単語もタップすることで自分で音声を確認できるため、先生にその都度質問しなくても、繰り返し練習できます。
授業ではペアやグループで発表の練習を行い、最後に一人ずつクラスの前で発表しました。その結果、昨年のプレゼンテーションと比べて、今年は読み間違いがほとんどありませんでした。
レシピーを使うことで、生徒が自分で読み方を確認し、正しく読めるまで反復できるようになったことが、大きな変化だと感じています。

——授業準備や課題管理の面では、どのような変化がありましたか。
教材を用意する時間と課題を確認する負担が大きく減りました。
例えば、紙で夏休み用の教材を作る場合、必要な部分をコピーし、印刷して製本するだけで3時間ほどかかることがあります。レシピーであれば、記事や問題を選んで課題として配信するまで、30分程度で行えます。
また、紙の文法テキストでは、生徒が提出するたびに一人ずつチェックシートを確認し、日付を書かせて判を押していました。それでも、実際には提出したかどうかまでしか確認できず、問題がどの程度解けているかまでは把握しきれません。
レシピーでは、誰がいつ取り組んだか、どの程度課題を完了したかを一覧で確認でき、CSV形式で出力することもできます。これまで時間がかかっていた提出確認が、非常にスムーズになりました。
現在は課題の提出状況を成績評価にも反映しています。生徒にとっても、どこまで取り組んだかが明確になるため、学習への意識につながっていると思います。
(実際の管理画面)
——生徒の反応はいかがですか。
現在の中学生はICTに慣れているため、アプリを使った課題にも特に違和感なく取り組んでいます。
紙の教材よりも、パソコンやアプリを使うこと自体に「面白そう」という印象を持っている生徒も多いようです。授業中にほかの問題を早く終えた生徒が、「先生、今日のレシピーをやってもいいですか」と、自分から宿題に取り組むこともあります。
音読課題では、発音が点数で表示されることを楽しんでいます。「前回は何点だった」「次は何点になった」と、何度も読み直す生徒もいます。特に、目標の点数が出るまで繰り返し挑戦する生徒が多いですね。
模試でもリスニングは比較的よくできています。音読に継続して取り組むことが、聞く力をさらに伸ばすことにもつながるのではないかと考えています。
——中学生の英語学習にICTを取り入れることを、どのように感じていますか。
英語はICTとの相性が非常によい教科だと思います。
外国のニュースや、実際に海外で話題になっているテーマは、英語を学ぶためのよい素材になります。インターネットを通じて新しい情報に触れられることは、デジタル教材の大きな利点です。
特に中学生の場合、最初から学習要素の強い記事を出すよりも、スポーツや芸能など、身近で関心を持ちやすいテーマから始めることが大切だと感じています。知っている人物や出来事であれば、英文を読むことへのハードルも下がります。
まずは身近なテーマから英語を読む習慣をつくり、将来的には社会的なニュースなど、より幅広い内容にも取り組ませていきたいと考えています。
——今後「レシピー」に期待することはありますか。
現在もリライト機能を使用していますが、中学生にとっては、まだ難しい文法や語彙が含まれることがあります。
特に中学1・2年生では、まだ習っていない助動詞や文法表現が出てくることもあります。単語を調べながら取り組むことはできますが、もう一段階やさしく、既習の文法に合わせてリライトできる機能があると、さらに使いやすくなると思います。
また、生徒が自分でレシピーを使い、英検前などに必要な学習を選んで進める機会も増やしていきたいですね。