社内研修 2024年10月3日(木)

社内研修の進め方を徹底解説【改善フローも解説】

ポリグロッツ編集部
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社内研修は、企業の成長と従業員のスキル向上に欠かせません。

急速に変化するビジネス環境に対応するため、従業員が最新の知識や技術を習得し、業務のパフォーマンスを向上させることが求められます。

この記事では、社内研修を効果的に進めるための具体的な方法と、成功に導くためのポイントについて解説します。

社内研修とは

社内研修は、企業が従業員のスキルアップや知識習得を目的に実施する社内教育の一環です。

業務に直結する能力の向上を目指し、企業の生産性向上や競争力強化を目的として行われます。

研修は目的に応じて方法を変えることで新入社員から管理職まで、あらゆる層に必要なスキルを育成することができるようになります。

そこで、ここでは社内研修の目的やメリット・デメリットといった特徴について解説します。

社内研修の目的

社内研修の主な目的は、業務遂行に必要な専門知識やスキルの向上を図り、企業全体の競争力を高めることです。

具体的には、以下のような目的がよく用いられています。

  • 新入社員研修による戦力化
  • 管理職のリーダーシップ育成
  • 業務プロセス改善による効率化

特に、近年ではDXや働き方改革といった潮流の変化に対応すべく、新たな技術や市場の最新動向に沿った教育を提供することも積極的に行われています。

社内研修のメリット・デメリット

社内研修には、従業員のスキル向上や前者的なスキルのボトムアップといったメリットがある一方でデメリットも存在します。

これらの要素を考慮し、研修の設計や実施には慎重な計画を行うことが重要です。

社内研修のメリット

社内研修の最大のメリットは、企業ニーズに即したスキルを従業員が効率的に習得できることです。

これにより、短期間での業務効率の向上が期待され、組織全体のパフォーマンスが向上します。

また、研修を通じて企業の目標や価値観を共有することができ、従業員間のコミュニケーションや連携の強化も期待されます。

さらに、キャリア開発の一環としての研修は、従業員のモチベーション向上や離職防止にもつながります。

社内研修のデメリット

一方で、研修にはコストや時間の負担が伴います。

特に、長期的な視点では、生産性向上が見込まれるものの、短期的には通常業務の停止や調整が必要となり、研修による直接的な利益がすぐに見えにくいという側面があります。

また、研修内容が実務に即していない場合、期待される効果が得られない可能性があります。

従業員の個別ニーズに合わない一律の研修は、効果が薄く、資源の浪費につながるリスクもあります。

社内研修と社内教育の違い

社内研修と社内教育は、目的や期間に違いがあります。

また、研修は即効性、教育は長期的な成長を重視する傾向にあります。

社内研修は、特定のスキルや知識を短期間で集中的に習得することが目的で、新入社員研修やリーダーシップ研修など、実務に即した内容が中心です。

これに対し、社内教育は、長期間にわたり従業員の成長を支援するもので、企業理念の共有や業界知識の深化、将来のリーダー育成などを目指します。

【全工程徹底解説】社内研修の進め方

社内研修は、従業員のスキル向上と企業の成長を支える重要なプロセスです。

効率的に研修を進めるためには、戦略的なアプローチと入念な準備が欠かせません。

ここでは、ビジネスにおける研修の進め方を、各工程でどのように進めるべきかについて、目標・目的設定における重要性と改善への適用の仕方に焦点を当てて解説します。

また、現場の進め方に課題を感じている方はここで解説する方法に則って改善してみてください。

1. 目標・目的の設定

社内研修を成功させるためには、まず最初に明確な目標と目的を設定することが重要です。

ここでおすすめな方法が、FASTの法則の活用です。

この考え方を取り入れることで、研修の進捗を確認し、改善を図りやすくすることができるようになります。

ここではそんなFASTの法則について解説します。

Frequent(頻繁に)

研修の成果を最大化するためには、頻繁(Frequent)なレビューとフィードバックが欠かせません。

特にビジネスの現場では、業務環境の変化が激しいため、定期的な進捗確認が重要です。

研修期間中に短期間でフィードバックサイクルを繰り返し、参加者がすぐに改善できる体制を整えることで、学びの効果を持続的に高めることができます。

Ambitious(野心的に)

社内研修は、すぐ実現できるような目標だけでなく、野心的(Ambitious)な目標を設定することが重要です。

これは、単に業務遂行に必要なスキルを身に付けるだけでなく、従業員が自分の限界に挑戦し、さらなる成長を目指す機会を提供することを意味します。

また、目標が高ければ学習意欲も高まり、成果の向上も期待できるようになります。

Specific(具体的に)

目標は具体的でわかりやすく設定する必要があります。

曖昧なゴール設定では、参加者が何を達成すべきかを見失いがちです。

たとえば、「リーダーシップを強化する」ではなく、「6か月以内にチームの生産性を20%向上させるためのリーダーシップスキルを習得する」といった具体的な目標を設定することで、達成すべき成果が明確になります。

Transparent(透明性を保って)

研修の効果を最大化するためには、研修に関わる全員が進捗や目標を透明性(Transparent)を持って共有できる仕組みを作ることが必要です。

特に、ビジネスではチームでの協力が欠かせないため、進捗や成果が可視化されることで、他のメンバーや上司とも効果的な連携が図れます。

例えば、学習管理システム(LMS)を活用して、研修の進行状況や成果をリアルタイムで共有することが効果的です。

透明性が確保されることで、全員が研修の目標に対して一貫した理解を持ち、効果的に進めることができます。

2.参加者のニーズ分析

研修の目標や目的は研修を行う側の視点が強く反映されることがあります。

そのため、研修には参加者のニーズも把握することが重要です。

参加者のニーズ分析では、ギャップ分析がよく用いられます。

その中でも例えば、SWOT分析は、従業員の強みや弱みを明らかにし、研修を通じて強化すべきスキルや、成長の機会を明らかにすることができるようになります。

これにより、参加者に最適な研修プログラムを設計できます。

SWOT分析は以下の項目に分けて分析することが一般的です。

抽出された特徴はひとことで明文化された上で書き出されステークホルダーへ共有されることが一般的です。

Strengths(強み)

まず、参加者が現在持っているスキルや能力の中で、企業や業務において強みとなっている要素(Strengths)を確認します。

また、強みを理解することで、研修の焦点を明確にすることにも繋がります。

この工程によって、既に優れた能力を持つ分野を把握し、研修においてそれらのスキルをさらに発展させる機会を設けることができます。

たとえば、営業スキルが強みであれば、その強みを基に新しい技術や戦略を学ぶための研修を追加するなど、参加者の強みを最大限に引き出せるようなアプローチが可能です。

Weaknesses(弱み)

研修を通じて補完すべきスキルや知識の不足(Weaknesses)を洗い出すことが、ニーズ分析の重要なステップです。

例えば、技術的なスキルが不足している場合は、最新のITツールやプログラムの使い方を学ぶ研修を実施することが効果的です。

弱みは一見するとネガティブに捉えられがちなものでもありますが、組織やチームにおける直近の目標を明確にするため、貪欲に洗い出すことが重要です。

事前に弱みを特定し、どのスキルを強化する必要があるのかを明確にすることで、このギャップを埋めるために必要な学びを提示し、業務のパフォーマンス向上に繋げ流ことができるようになります。

Opportunities(機会)

市場や業界の変化に伴い、研修によって新たな成長機会(Opportunities)を見出すことも大切です。

たとえば、新しい技術や市場の拡大に伴い、新たなスキルを習得することで、競争優位性を高める機会が生まれます。

これにより、研修参加者が市場の変化に適応できるだけでなく、組織全体としても成長の機会を得ることができます。

技術革新や業界動向に対応した研修を導入することで、従業員が新しい役割やチャレンジに積極的に取り組む姿勢を養います。

Threats(脅威)

研修のニーズ分析において、業界や技術の変化によって生じる脅威(Threats)も考慮する必要があります。

適切な対策を講じることで、業務の中で脅威に対応し、変化に柔軟に対処できる力を育成します。

例えば、競争が激化する業界や急速に進化する技術分野においては、従業員が新しいスキルを迅速に習得しない限り、競争から取り残されるリスクがあります。

こうした脅威を理解することで、組織や社員が直面する課題に対処するための適切な研修プログラムを設計できます。

3.研修プログラムの設定

研修の目的や課題・ニーズが明確になったら研修プログラムの設定を行いましょう。

研修プログラムを効果的に設計するには、闇雲に行うのではなく基本的な指針を設定しておくことが重要です。

特にリーダーシップの育成にはロミンガーの「70:20:10」法則を活用することがおすすめです。

「70:20:10」の法則

アメリカの調査会社であるロミンガー社の提唱した法則で、人材育成に貢献する割合は実務が70%、他者との関わりが20%、研修が10%とする考えです。

学びの70%は経験から得るべきとされ、これには実践的なタスクやオンザジョブトレーニング(OJT)が含まれます。

次に、20%は他者との関わりから得られます。

ここでは、フィードバックやメンターシップ、コーチングが重要です。

他者の視点を通じて、自身のパフォーマンスを客観的に理解し、成長を促します。

最後に、10%は研修などの純粋な教育によって、構築されるとしています。

この理論は決して社内研修の寄与する割合が少ないということではなく、インプットを研修に頼りすぎてはいけないとを示していると言えます。

研修で学んだ知識を実務や他者との折衝で実践していくとともに、乖離があれば次回の研修にフィードバックをすることで知見を深めることができます。

さらにこれを集団で行うことでさらなる研修プログラムのブラッシュアップが見込めるのではないでしょうか。

4.講師の選定

研修の成功には、適切な講師の選定が不可欠です。

講師は、研修内容に精通していることはもちろん、参加者の理解度に応じた柔軟性も求められます。

内部講師はその会社の企業文化や実務に即した指導ができる一方、外部講師は俯瞰した業界のトレンド、最新の知識やスキルを有していることがあります。

ただし、いずれの場合においても、講師は参加者と積極的にコミュニケーションを取り、実践的な指導ができるかが重要です。

講師の質が研修の効果を大きく左右するため、選定には十分な注意を払いましょう。

5.研修の実施

研修を実施する際は、参加者が主体的に学べる環境を整えることが重要です。

座学だけではなく、ディスカッションやロールプレイやケーススタディなどを取り入れることで、学んだスキルを実務に応用しやすくします。

また、実施中の進捗確認やフィードバックを頻繁に行い、参加者が理解しやすいように調整を行います。

適切な時間配分や進行管理を徹底し、研修の目的達成に向けて、計画的に進めることが求められます。

6.フィードバックとフォローアップ

研修終了後のフィードバックとフォローアップは、学びを現場に定着させるために欠かせません。

カークパトリックモデルを用いると、研修の効果を4つのレベルで評価できます。

レベル1: 反応(Reaction)

研修に対する参加者の満足度や反応を確認します。

内容や講師に対する評価を集め、今後の研修改善に役立てます。

レベル2: 学習(Learning)

研修を通じて新たに習得した知識やスキルを評価します。

テストや実技演習などを用いて、学びの成果を測定します。

レベル3: 行動(Behavior)

研修後に参加者が学んだスキルを業務に応用できているかを確認します。

行動の変化や業務プロセスへの影響を観察し、効果を測定します。

レベル4: 結果(Results)

研修が組織全体に与えた影響を測定します。

生産性の向上、コスト削減、顧客満足度の向上など、研修のビジネス成果を具体的に評価します。

社内研修を進める上で気をつけること

社内研修はただ闇雲に行うだけでは成果を望むことが難しい場合があります。

社内研修を進める上では以下のことに注意することが望ましいです。

目的と目標を明確にする

社内研修を進める上で、目的と目標の明確化は最も重要です。

研修の目的を曖昧なままにしてしまうと、参加者が何を学ぶべきか、どのように成長すべきかが不明瞭となり、成果が限定的になります。

目標設定には、具体的で測定可能な成果を設定すると良いでしょう。

研修の進捗を随時確認しやすくなるためです。

さらに、組織全体の目標とも整合性を取ることで、従業員のモチベーションを高め、研修の効果を最大化することができます。

対象者に合わせて研修内容の設計を行う

研修の内容は、参加者のスキルや役職に応じて設計する必要があります。

新入社員と管理職、または専門職と事務職では、必要とするスキルや知識が異なるため、一律の研修では効果が得られません。

まず、参加者のニーズを把握し、ギャップ分析などを活用して、それぞれのグループに適した内容を設計することが重要です。

また、特定のスキルを強化するための専門的な内容を盛り込むなど、参加者が現場で活かせる知識を提供することが成功の鍵となります。

個々のニーズに応じたカスタマイズされた研修は、従業員のスキルアップと企業の競争力向上に貢献します。

柔軟な対応を行う

研修は、計画通りに進めることが重要ですが、参加者の状況や外部環境の変化に応じて、柔軟に対応することも求められます。

特に、オンライン研修やクラウドベースの資料共有など、IoTやテクノロジーを活用した柔軟な形式は、参加者の利便性を向上させ、学習効率を高めることができます。

たとえば、リモートワーク環境下でも、オンラインツールを用いることでリアルタイムでの情報共有や進捗管理が可能となり、場所や時間に縛られない研修の実施が可能です。

こうした最新技術を活用することで、研修の効果を最大限に引き出すことができます。

まとめ

社内研修を成功させるためには、目的と目標を明確に設定し、対象者のニーズに合わせた内容を設計することが重要です。

また、IoTやクラウドなど最新テクノロジーを活用し、柔軟な対応を行うことで、より効率的な研修が実現できます。

フィードバックやフォローアップを通じて、学んだ内容を実務に定着させ、組織全体のパフォーマンス向上に繋げることが求められます。

これらのポイントを押さえることで、効果的な研修プログラムを実施でき、企業の成長を促進することができるようにしましょう。

執筆者プロフィール ポリグロッツ編集部 英語研修サービスを提供している株式会社ポリグロッツの編集部。 法人向け英語研修サービスやその周辺情報について、プロの目線で情報発信を行います。

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