労働者の半分以上が「静かな退職」中? “quiet quitting”って何?

「24時間戦えますか」が流行語として持て囃されたのはおよそ35年も前の話。過労が社会問題となって以降、働き方改革が叫ばれるようになり、過度な残業を行わないように指導する企業が増えてきました。
また2020年の新型コロナウィルスのパンデミック以降自宅で過ごす時間が増え、期せずして家族や趣味など仕事以外に目を向ける機会となった方は多いのではないでしょうか。そんな中、”quiet quitting”という新しい働き方の選択肢が注目を集めています。
quiet quitting(クワイエット・クイッティング/静かな退職)
quiet quitting(静かな退職)とは、「会社に属しながら、必要最低限の仕事だけを淡々とこなす」「仕事への情熱や責任を持たない」「仕事での自己実現は求めない」という考え方・ワークスタイルのことです。2022年にアメリカのキャリアコーチが提唱し、人生の意味をあらためて見つめ直す若者たちを中心に広まったと言われています。
hustle cultureの終焉とコロナ禍
2000年代初頭あたりまでは、昼夜問わずがむしゃらに働くことで成功を追求する「hustle culture(ハッスルカルチャー)」がビジネスパーソンの主流とされてきました。日本でも「モーレツ社員」「企業戦士」という言葉が流行し、会社のために尽くすことが美徳とされていた時代を覚えている人は多いでしょう。
しかし、過度な働き方から「burnout(燃え尽き症候群)」に陥ったり心身を病んだりすることが社会問題となり、hustle cultureは徐々に下火に。時を同じくして、日本ではバブル崩壊や終身雇用の崩壊も始まり、会社に尽くすことに疑問を抱く人が増え始めました。
さらに、2020年頃から始まったコロナ禍は世界的な社会不安を巻き起こしました。生活が大幅に変化し、将来に不安を抱いた人が「仕事だけが自分の人生ではない」「もっと生活や趣味などを大事にするべきだ」と考えるようになるのも不思議ではないのではないでしょうか。
若者だけではない?
世代を超え、世界中に広がるquiet quitting
quiet quittingは、今やアメリカだけ、若者だけの問題ではなくなりつつあります。160カ国以上・12万人以上を対象に行われた2023年の調査では、世界の労働者の59%がquiet quittingをしているという報告が出ています。
また、日本でも「静かな退職」に関する調査や研究が行われています。2023年に実施された意識調査では、回答者の15%がquiet quittingに該当するという結果が出ました。とくに顕著だったのは40〜50代以降の中堅・シニアクラスの従業員です。役職やキャリアパスから外れた人や、再雇用で給与も責任も減った人が意欲を失い、仕事のモチベーションを最小限に留める傾向にあるようです。
雇用側の対応が問われる
一人ひとりが必要以上の関わりを持たなかったり、役割以上の働きをしなかったりすることで、企業のパフォーマンスが低下するという点ではquiet quittingは問題かもしれませんが、かといって旧来のように従業員のワークライフバランスを軽視するのも考えものです。
「静かな退職」を良いことととるか、悪いことととるかは意見が分かれるところですが、雇用側は従業員のモチベーション維持に今まで以上に気を遣わなければならない時代なのかもしれません。
quiet quittingを使った例文紹介
Many employees practice quiet quitting to avoid burnout and stress.
(多くの従業員が燃え尽きやストレスを避けるために静かな退職を実践している)
Quiet quitting doesn’t mean being lazy; it means setting boundaries at work.
(静かな退職とは怠けるという意味ではなく、職場で境界線を設定するということだ)
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