社内研修で使えるボードゲームとは|よく使われるゲームと適している条件を解説

社内研修でスキルを効果的に向上させる方法の一つに、ボードゲームの活用があります。

楽しみながら実践的なスキルを磨くことができるため、近年多くの企業で導入が進んでいます。

この記事では、特定の研修目的に応じて適したボードゲームの種類を紹介し、それぞれの特徴やメリットを解説します。

どのようなゲームが、どのスキル向上に役立つのか、詳しく見ていきましょう。

社内研修でボードゲームを使うことがある

社内研修では、スキルアップやチームビルディングの手段としてボードゲームが取り入れられることが増えています。

ボードゲームは楽しさを伴う学びを提供し、コミュニケーション能力や問題解決力を自然に向上させる効果が期待されます。

安価かつ容易に様々な状況のシミュレーションができる

ボードゲームは比較的安価であり、特別な設備が不要なため、導入しやすい研修ツールです。

また、リアルなビジネス環境に近い状況や課題をシミュレーションできることが大きな利点です。

参加者は、失敗体験を通じてリスク管理や問題解決の方法を学び、成功体験を通じて自信を深めます。

さらに、限られたリソースを使い、意思決定の重要性や協力の価値を体感することができるため、実践的な学習効果を得られます。

学習意欲を維持しやすい

ボードゲームは楽しさを伴うため、参加者の学習意欲を自然に高め、維持しやすい点が特徴です。

従来の座学型の研修とは異なり、ゲームを通じてアクティブに学べるため、参加者の集中力が持続しやすくなります。

また、ゲームの中での成功体験や新しいスキルの習得は、自己成長を実感させ、さらなる学びへの意欲を引き出します。

このように、ゲームを通じた研修は、モチベーションを高めつつ、効果的にスキルを習得できる手法です。

コミュニケーション創出の機会になりやすい

ボードゲームは、自然な形で参加者同士のコミュニケーションを生み出す場面が多く、社内での対話や協力関係を築く良い機会になります。

ゲーム中には、意見の共有や協力が不可欠であり、これにより日常業務ではあまり交流がないメンバーとも積極的に話し合う機会が生まれます。

さらに、ゲーム後の振り返りでは、各自の行動やチームの結果について意見を交換し、より深い理解を築くことができます。

結果として、社内の人間関係が円滑になり、チーム力の向上に繋がります。

【目的別】社内研修に向いているボードゲームの種類

目的別の社内研修に向いているボードゲームの種類について解説します。

チームワークやチームビルディングの育成

協力型のゲームは、プレイヤーが協力して共通の目標を達成するために役割を果たす形式のゲームです。

チーム内の信頼関係を築き、効果的なコミュニケーションを促進します。

研修においては、協力して困難を克服する過程で、チームワークの重要性を学ぶことができます。

問題解決スキル、意思決定力、計画性の育成

戦略型のゲームは、長期的な計画を立て、資源を管理しながら目標を達成するものです。

これにより、論理的思考や問題解決スキル、意思決定力が鍛えられます。

プレイヤーは、常に変化する状況に対応しながら、最善の戦略を考え、成功へ導く力を養います。

コミュニケーションスキルや交渉力の強化

交渉型ゲームでは、他のプレイヤーとの交渉や取引を通じてリソースや情報を得ることが求められます。

これにより、コミュニケーション力や交渉術が自然に磨かれ、ビジネスの場面でも役立つ対話力や説得力を高めることができます。

クリティカルシンキングやロジカルシンキング、情報分析能力の強化

推理型ゲームは、限られた情報や手がかりを基に論理的な推論を行い、問題を解決するものです。

このタイプのゲームは、情報の整理や分析、クリティカルシンキングといった思考力の向上に寄与します。

プレイヤーは、複雑な問題に対してどのようにアプローチするかを学びます。

タイムマネジメント能力の育成

タイムプレッシャー型ゲームは、限られた時間内で意思決定を行うことを求められるゲームです。

このタイプのゲームは、プレイヤーに効率的な時間管理や優先順位を見極めるスキルを養わせ、業務のタイムマネジメント能力の向上に効果的です。

社内研修に使いやすいボードゲーム集

ここでは社内研修に使いやすいボードゲームの例を挙げます。

協力型のゲーム

「パンデミック」は、協力型ボードゲームの代表作とも言える人気ゲームであり、社内研修でのチームビルディングに非常に適したゲームです。

プレイヤー全員が協力し、感染症の拡大を食い止めるというシナリオを通じて、コミュニケーションや戦略的思考、役割分担の重要性を学ぶことができます。

難易度調整が可能なため、参加者のレベルに応じて柔軟に対応できる点も魅力です。

ただし、リーダー的な存在が強すぎると他のメンバーが受け身になりやすいので、進行役の配慮が求められるという懸念点も有しているため注意しましょう。

戦略型ゲームには「ファラウェイ」や「アクワイア」が適しています。

まず、「ファラウェイ」は、手札からカードを出し、逆順で得点を計算するシンプルなルールのゲームですが、得点計算の順序と条件を考慮し、カードを選ぶ戦略性が問われます。

カードを出すタイミングや順序が勝敗に大きく影響するため、プレイヤーは計画的に進める必要があり、戦略を練る面白さがあります。

一方、「アクワイア」は、ホテルの合併吸収を繰り返しながら資産を増やすマネーゲームです。

株式を安く買い、高値で売るタイミングを見極め、リスクを管理しながら利益を追求する必要があります。

株式市場の動きを予測し、資産を最大化する戦略が求められるため、ビジネス的な思考が重要となる戦略型ゲームです。

交渉型のゲーム

交渉型のゲームで交渉力の向上を検討している場合は「カタン」「京都議定書」がおすすめです。

「カタンの開拓者」は、資源の管理と交易が重要な要素です。

プレイヤーは限られた資源を使い、自分の開拓地を発展させていきますが、必要な資源を他のプレイヤーと交渉することで得る場面が頻繁に発生します。

交渉力がゲームの進行や勝利に直結するため、戦略的なコミュニケーションスキルが求められます。

「京都議定書」は、気候変動問題に取り組みながら、自国の経済的利益を守ることが目的のゲームです。

プレイヤーは他国と交渉し、環境対策のバランスを取りながら自国の富を最大化しようとします。

環境問題と経済利益の狭間での交渉が鍵となり、交渉力や意思決定力が試されるシナリオが展開されます。

推理型のゲーム

推理型のゲームでは、「なにが？どうした？」ゲームや「シークレット・ナンバー」が向いています。

「なにが？どうした？」ゲームは、アドリブを使った推理型パーティーゲームです。

プレイヤーは2枚の台本カードを基にシーンを即興で演じますが、全てを知っている「マジメンバー」と、1枚しか知らない「遅刻メンバー」がいます。

他のプレイヤーは、誰が遅刻メンバーかを推理しながら、アドリブの質や行動を観察し、正体を見破る必要があります。

隠された情報を読み取る推理力が重要で、パーティー形式ながら、軽い推理の楽しさが詰まっています。

「シークレット・ナンバー」は、各プレイヤーが秘密裏に自分の数字を持ち、その数字を他のプレイヤーが推理するゲームです。

数字を推理するために、ヒントや他のプレイヤーの行動を元にロジックを組み立てる必要があります。

少ない情報から合理的な結論を導き出す推理力と観察力が試されるため、論理的な思考が好きな人に向いています。

また、ゲームの進行が速く、短時間で何度も楽しめる点も魅力です。

社内研修でボードゲームを使用する際の注意点

ボードゲームを社内研修で活用する際は、楽しさだけでなく、学習効果を高めるためにいくつかのポイントに注意する必要があります。

研修の目的に合った選定や準備が成功のカギとなります。

目的に適したゲームを選ぶ

ボードゲームを選ぶ際には、研修の具体的な目的に合ったゲームを選定することが重要です。

例えば、チームワークを強化したい場合は協力型のゲーム、問題解決力を高めたい場合は戦略型のゲームが適しています。

また、参加者のスキルや興味にも配慮し、難易度が適切なものを選ぶことが大切です。

適切なゲームを選ぶことで、研修効果が最大限に引き出され、学びが深まります。

1ゲームに要する時間を把握しておく

一連のゲームを進行するために必要な時間を事前に把握することは不可欠です。

研修の時間内で1ゲームが終了できるように調整する必要があります。

また、反復してゲームを行うことで、フィードバックと改善のサイクルを促進し、学習効果を高めることができます。

数回のゲームプレイを通じて、参加者は成長を実感し、研修全体の目標達成に近づきます。

事前に研修の目的を明確に伝える

研修開始前に、ゲームの楽しさだけではなく、学習の目的や期待される成果を明確に伝えることが重要です。

参加者が何を学ぶべきかを理解していることで、ゲームを通じた学習効果が向上し、研修全体が効果的に進行します。

また、研修後のフィードバックセッションを設け、ゲームの中で得られた学びを振り返ることも効果的です。

まとめ

チームワークを強化するためには協力型のゲームが、問題解決や意思決定のスキル向上には戦略型のゲームが有効です。

また、交渉力を高めるためには交渉型ゲーム、クリティカルシンキングや情報分析能力の強化には推理型ゲームが適しています。

各ゲームはそれぞれの研修目的に合ったスキルを養成し、楽しみながら学習する機会を提供するため、社内研修に効果的です。