受け身な研修から前のめりな研修へ！「反転学習」型研修の特徴とケーススタディ

居眠り、内職・・・受け身になりがちな社内研修を変えたい！

多くの企業において、社内研修担当者が頭を抱える課題の一つが「研修に対する受講者の姿勢」ではないでしょうか。一方的に話を聞きインプットすることが中心の講座では、受講者は受け身の姿勢になりがちです。ぼんやり聞き流すだけで、なかにはうつらうつらと居眠りをしたり、聞いているふりをして仕事のメールを返し始めたり、やがて多忙を言い訳に欠席しがちになる受講者も珍しくありません。

受講生が能動的、主体的に参加する研修はどうすれば実現するのでしょう？ 社内研修への向き合い方を変えるアイデアの一つとして、「反転学習」をご紹介します。

「反転学習」とは？

2000年代、アメリカでは子どもの学習方法として「反転授業（Flipped Classroom）」が普及しました。これは授業と家庭学習の順序を入れ替えた（＝反転した）点が特徴で、生徒は事前にオンライン動画などで学習内容をインプットし、授業ではその知識を活かして応用問題やグループワークに挑戦します。

日本でも、2011年に東京大学が採用したのを皮切りに、全国の学校や学習塾で取り入れられるようになりました。社員研修に導入する企業も多く、「反転学習（Flipped Learning）」として知られています。

反転学習型の研修は知識の定着にも効果的！

反転学習型の研修では、限られた研修の時間を「学ぶ」ことではなく「使う」ことに割くため、自然と双方向でインプットとアウトプットを繰り返す講座になります。その結果、講座に対する集中力が高まり、知識の定着率も上がります。

同時に、事前学習が前提となるため、自ら学習の機会を設けることが必要です。仕事の合間に学びの時間を確保することは大変ですが、受講することにモチベーションを感じられるようになれば、主体的に研修に参加する受講生も増えることでしょう。

仕事と学びを両立させるためのサポートも重要

とはいえ、事前学習が前提というのは社会人にとって少々高いハードルかもしれません。予習をする暇がないことを理由に研修への参加を挫折してしまっては本末転倒です。ここで、企業側の工夫によって受講生をサポートした事例をご紹介しましょう。

反転学習型の社内研修を行っているある企業では、受講者の事前学習が捗るよう、講座前に視聴するビデオに工夫を凝らしています。トピックごとに動画を分け、1本の動画は10〜15分程度に収められています。内容も整理されていて、最初に「なぜこの知識が必要か」「これを学ぶと何に役立つか」という目的を共有し、学習内容を伝えた後に小テストを設け、最後に要点をまとめてビデオは終了。受講者はこれを視聴し事前学習を済ませて本講座に臨みます。短く要点が整理されたビデオは、業務の合間やスキマ時間に予習が進められる点、集中力が途切れず学習できる点で、忙しい社会人の学習にぴったりですね。

また、受講者の要望から、会議室に集まって事前学習のビデオを放映する「ビデオ視聴会」を設けるという工夫も取り入れているそう。就業中に自分だけビデオを見るのは憚られるという人や、自分で視聴時間を捻出するのが難しいという人にはぴったりの施策ではないでしょうか。事前学習が十分なら本講座への参加意欲も高まりますし、分からないことや不安を共有する仲間ができることも参加者には心強いでしょう。

反転学習で、研修にインプットとアウトプットのサイクルを確立しよう

反転学習が有効なのは、英語学習でも同様です。福利厚生の一環としてオンライン英会話を契約している企業が多くありますが、レッスンの時間をインプットの場ではなくアウトプットの場と位置づけてはいかがでしょうか。覚えたい／使ってみたいフレーズを事前に学習して受講すれば、より有意義なレッスンになるはず。ぜひ意識して取り組んでみてください。

POLYGLOTSでは、さまざまなテーマの英文や動画をインプットできるAI英語学習アプリ「レシピー」と、日英バイリンガルの講師によるオンライン英会話を組み合わせた法人向け英語研修を提供しております。

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